カテゴリー別アーカイブ: AI Controls Matrix

CSAIについて

2026年3月24日
CSAジャパン 理事 諸角昌宏

RSAC2026でアナウンスのあったCSAI Foundationについて、公開されている情報を元にまとめてみました。

目的

AIが、単なる支援ツールから、ワークフローを調整し、デジタルインフラ全体で連携し、意思決定を行うことができる自律システムへと急速に進化しています。そのような状況を受けて、CSAIは、AIのセキュリティ、セーフティ、トラストを推進することを使命としてクラウドセキュリティアライアンス(CSA)によって、設立されました。

CSAIは、商業主導の取り組みでは提供できない、AIセキュリティにおける不可欠なリーダーシップを提供します。それは、エコシステム全体が依拠できる、中立的かつ標準に基づいたガードレールです。この独立した研究は、実世界のエージェンティックAIシステムをセキュアに保つために必要な運用上のトラストインフラを構築するというCSAIの役割に直接反映されます。

CSAI、2026年ミッション

以下の6つの戦略プログラムを行います:

  1. AIリスクオブザバトリー エージェントの実環境における動作・障害・リスクをリアルタイムで可視化。次世代CVE Numbering Authority(CNA)の運営も含む。
  2. エージェンティックベストプラクティス 企業向けのセキュアなエージェント実施ガイドライン、ID優先のアクセス制御、ランタイム認可ガバナンスなど。
  3. 教育・資格認定 TAISE資格のCxO向け・エージェント専門家向け・高校生向けへの拡充。エージェンティックAIサミットシリーズの開催。
  4. CxOtrust CISOs・CIOs・CAIOsを対象とした経営層向けラウンドテーブルや取締役会向けリスク報告フレームワークの提供。
  5. グローバルアシュアランス&トラスト CSA STARのAIシステムへの拡張(ISO 42001・SOC 2準拠)、AIを活用した自動監査エンジン「Valid-AI-ted」の開発。
  6. フューチャーフォワード エージェント向けTAISE資格認定、エージェント相互作用のテスト環境「CSA Pod」、そして将来のAIによる壊滅的リスクを研究する「Catastrophic Risk Annex」。

これらの取り組みは、独立した研究を実践的なプログラムへと転換し、エージェンティックコントロールプレーンをリアルタイムのリスクインテリジェンス、実施可能なベストプラクティス、および継続的なアシュアランスにわたって実際に保護するものとなります。

以上

AI Controls Matrix (AICM) 速報

AI Controls Matrix (AICM) 速報

2025年7月10日
諸角 昌宏

本ブログは、2025年7月10日にCSA本部が公開したAI Control Matrix (AICM)について、その概要を説明します。

  1. AICMとは?

    AICMは、クラウドにおけるセキュアで信頼性の高いAIシステムのためのフレームワークを提供する管理策集です。組織がAI技術をセキュアかつ責任ある方法で開発、導入、および活用するための支援を目的とした管理策のフレームワークとなります。
    今回、CSA本部から、AIセキュリティとガバナンスのための最初のベンダーニュートラルフレームワークとして公開されました。AICMでは、以下の点で組織をサポートすることができます。

    • AI固有のリスクを評価し、管理する
    • 信頼性の高いAIシステムを構築する
    • 国際基準に準拠する
  2. AICMの構成

    AICMでは、以下の18のドメインと243の管理策で構成されます。以下が18のドメインの内容です。AICM固有に追加されたドメインがModel Security(MDS)で、それ以外の17のドメインはCCM(Cloud Controls Matrix)のドメインで、CCMのドメインにAICMとしての管理策が記述されています。

  3. AICMのアーキテクチャ

    AICMの各管理策は、以下の内容を含んでいます。

    • Control Type
      管理策がAI向け、クラウド向け、AIとクラウド向け(AI-Specific, Cloud-Specific, Cloud&AI-Related)のいずれかを明示。
    • Control Applicability and Ownership
      管理策の所有者(Cloud Service Provider(CSP), Model Provider(MP), Application Provider(AP))を表示、および、その責任共有モデル
    • Architectural Relevance – GenAI Stack Components
      対象となる物理インフラ(Network, Compute, Storageなど)
    • Lifecycle Relevance
      AIライフサイクルのうち、対象となるステージ(Preparation, Development, Evaluation, Deployment, Service Retirement)。責任を持つチーム(GRC Team, Internal Audit Team)。
    • Threat Category
      管理策に想定される脅威
  4. AICMの現在の提供状況

    下の図が、AICMとして提供するコンポーネント。また、赤で囲った部分が今回提供されたコアの部分です(MappingについてはBSI AIC4とNIST AI 600-1 (2024)を提供)。
    今後の予定

    • ISO42001とのマッピング(現在公開レビュー中)
    • Implementation Guidelines(現在公開レビュー中)
    • EU AI Actとのマッピング(作業中)
    • Auditing Guidelines(作業中)
  5. 参照

以上