CASBワーキンググループ・リーダー
上田光一
今、本稿に目を通して頂いている読者の皆様は、CASBもしくはクラウドセキュリティ全般にご興味のある方と思います。
CSAジャパンのCASB-WGは発足からちょうど2年、CSAグローバルに上位活動を持たないCSAジャパンとしての独自活動を展開して参りました。ちょうど1年程前には、日本国内でのCASB理解に一石を投じるべく、独自に執筆したホワイトペーパーをリリースしました。(こちらからダウンロードできます)。
それから1年、市場でもCASBに関する話題には事欠きませんでした。ホワイトペーパーのリリース前後には、CASBベンダのNetskopeが日本上陸、11月にはGartner社がCASBのMagic Quadrantの初版をリリースしました。それとほぼ同時期に、大手セキュリティベンダのMcAfeeがCASBベンダの老舗Skyhigh Networksを買収する、といったニュースが飛び込んできました。今やCASBというキーワードは一般化し、ますますホットなものになってきたと言えるでしょう。
ただ悩ましいのはベンダやプレイヤーも増加する中で、当初Gartner社が提唱してきたコンセプトとは少しずつ違った切り口での情報も目に付くようになってきたことです。こういった変化自体はGartner社自身が認めていることでもあり、新技術の定着過程において起こりがちなことでもあります。これは良い意味では、Gartner社の「コンセプトありき」という段階から、より実地に即したものに進化してきたと見ることができるでしょう。ただホワイトペーパーのような一元的な情報編纂の取り組みについては、その完成時には環境変化により、あるいは物足りないものとなってしまう懸念があることも事実です。
そこでCASB-WGとしては、タイムリー、コンパクト、かつ多様性のある情報発信を意図し、これから数回に分けて本ブログにてリレーコラムとして記事をアップしていくことと致しました。複数のCASBベンダー、再販パートナー、利用者組織等々、様々な観点で執筆していく予定となっております。ぜひ楽しみにして頂ければと思います。
なお本ページは、リレーコラムのインデックスとなるよう以下にリンクを追加していきます。
- 第1回:「日本企業がCASBに求めるものとは?- CASBがバズワードで終わらない理由- 」 株式会社シマンテック 髙岡隆佳 (2018年2月27日公開)
- 第2回:「CASB v.s. SWG – クラウドセキュリティ?それともウェブセキュリティ? –」 株式会社シマンテック 髙岡隆佳 (2018年3月16日公開)
- 第3回:「GDPRとCASB」CASBワーキンググループ 橋本知典 (2018年3月24日公開)
- 第4回:「アンケート調査で明らかになった、日本のシャドーIT意識の実態」 NTTテクノクロス株式会社 井上淳 (2018年4月10日公開)
- 第5回:「「原則と現状のはざま」をCASBで対策できないか」 CASBワーキンググループ・リーダー 上田光一 (2018年5月7日公開)
- 第6回「IT規制改革を支えるCASB」 CASBワーキンググループ 渡辺 慎太郎(個人会員)(2018年5月8日公開)
- 第7回「インテリジェンスとしてのCASB」 CASBワーキンググループ 渡辺 慎太郎(個人会員)(2018年6月18日公開)
- 第8回「クラウドサービス利用のモニタリングとラベリング」 CASBワーキンググループ 渡辺 慎太郎(個人会員)(2018年9月8日公開)
- 第9回「クラウド利用者とクラウドプロバイダ:双方の言い分」 CASBワーキンググループ 渡辺 慎太郎(個人会員)(2018年9月8日公開)
- 第10回「CASBはデータガバナンスの登竜門となる?」株式会社シマンテック 高岡隆佳 (2018年12月6日公開)