RPA検討会のページです。
検討会発足の背景
2000年、仏パトリック・リマール氏がContextorSAS社を設立し、開発したボットを業務自動化のソフトとしてRPAおよびRDAと名付けた。RPA: Robotic Process Automationは、サーバ内に実装されるソフトとして、RDA: Robotic Desktop Automationは、PC内に実装されるソフトとして提供されたのが始まりである。
その後、国内でもボット開発やソフト提供が始まり、2018年では市場規模が155億円を突破し、国内外のRPAソフト26種類が累計3,000社以上に導入された。また2019年は200億円を超えたとのニュースも出ている。
RPA国内市場でも、ビジネスプロセスをRPAで自動化した後、運用上の課題やRPAソフトの機能差から発生する課題等について、CSAジャパン会員からも例示され幾つかの議論に発展した。
議論をする中で課題解決へメッセージを発信する期待もあり、CSAジャパンとして米国CSA本部に先駆けて検討会を発足させることにした。
何故RPAを! クラウドセキュリティがテーマであるCSAジャパンが取り上げるのか?それは、以下の検討からクラウドセキュリティと切り離せないと判断したためである。
第一の検討は、導入ケースであった。
・RPAとクラウドとの関係性を検討
- RPAが操作するシステムがクラウド化しているケースがある
- RPAツールが稼働する環境がクラウド上にあるケースがある
- クラウドで提供されるRPAサービスがリリースされている
・RPAと業務系システムとの関係性を検討
- 会計管理システムとPCで会計業務に適用するケースがある
- 人事給与業務管理システムとPCで人事業務に適用するケースがある
- 生産管理システムとPCで生産業務に適用するケースがある
- 在庫購買管理システムとPCで物流業務に適用するケースがある
- 販売管理システムとPCで販売業務に適用するケースがある
- 独立した業務系システムをグループ間で連携するケースがある
第二の検討は、既存システムとの違いであった。
・RPA導入とシステム構築との違い
- システム構築は、既存システムへの連携が必須で、外部の専門家が大半を行う
- RPA導入は、既存システムへの連携やカスタマイズが不要で、現場が大半を行う
・RPAとExcelマクロとの違い
- Excelマクロは、Excel上でのみ自動化が可能。
- RPAツールは、PC上で自動化が可能で、特定のEアプリ(Excel)に依存しない。
・RPAとAIとの違い
- AIは、人が行う問題解決を、代替し答えるコンピュータ。
- RPAは、人が行うPC操作を、記憶し実行するツール。
第三の検討は、利用環境であった。
・RPAへのアクセス
RPAユーザーは、IDとパスワードでログインしてRPAツールを実行することから、イントラネットの利用とブラウザを利用する環境が必要である。
・RPAコードとデータの保有
RPAツールは、OSがメモリー割り当てを管理し、CPUがコードとデータを管理することから、RPAコードとデータを同一箇所で保存するかハイブリッドで保存するかの環境が必要である。
公開資料
- 「RPAリスクシナリオに基づくユースケース」を公開しました。(2020年3月4日)こちらからダウンロードしてください。
本書は、総務省のRPA進化モデルを念頭に置き、CSAジャパン会員の経験も含め、例示された課題やリスクと課題解決(システム対応、セキュリティ対応)について検討し、ユースケース・アプローチを応用してRPAセキュリティの指針となるイメージを提示することを目的として作成しました。
活動内容
- 2019年12月
- 「RPAリスクシナリオに基づくユースケース」作業中。
- 2019年8月
- RPA検討会スタート。